About Us

講座概要

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 当教室は2011年4月に岡山市の中心街にあった川崎医科大学附属川崎病院に創設され、肺がんを中心とした悪性腫瘍に対して、総合内科として全人的医療を行うとともに、がん薬物療法を専門的に行う診療科としてスタートしました。2016年12月から現在の川崎医科大学総合医療センターが新設され、緩和ケア病棟の開設により緩和医療分野への診療の幅が広がりました。現在では、呼吸器腫瘍・血液・緩和領域を専門とする充実した医療の提供が可能な体制となっています。当初は医師3名で始まった教室ですが、徐々に新入局員が増え、大学院生を含めて10名の教室員が在籍します。当科では幅広いがん腫を対象としていますが、肺がん、縦隔腫瘍や悪性胸膜中皮腫などの呼吸器腫瘍、悪性リンパ腫を始めとする血液腫瘍を特に多く診療しています。最近では希少がんである骨軟部腫瘍や泌尿器系腫瘍など、関連各科との密な連携のもと、まさに総合内科学を基盤とした臨床腫瘍学の実践により、患者さん毎に最適な集学的治療を提供しています。

 私たちは直面する臨床の疑問点を基礎研究で解決し、その成果を臨床研究へ反映することも使命と考えています。とくに、EGFRやALKなどのドライバー遺伝子を有する非小細胞肺がんの研究、小細胞肺がんの免疫チェックポイントの解析、悪性胸膜中皮腫の新規治療法の基礎研究を行っています。これまでは岡山大学呼吸器・アレルギー内科との共同研究が多かったのですが、その他にもJAK2/STAT3阻害薬に関する基礎研究を米国企業と、創薬基盤推進研究事業(AMED)でアバカビルのドラッグ・リポジショニング研究を京都大学血液・腫瘍内科と、特殊ペプチド創薬を東京大学生物有機化学教室と研究を行ってきました。最近ではゲノム編集やプロテオーム・メタボローム解析を行ない、総合医療センター6階の研究ユニットは研究者が増え、欧州企業との共同研究も開始しました。一方、臨床研究では症例報告をもとにclinical questionを導き、数多くの臨床試験を実施しています。

 私たちは、総合内科学を基盤とした呼吸器・腫瘍学、血液学、および緩和医療学を更に極めるよう努力しています。どうぞよろしくお願い申し上げます。