第8回肺癌分子病態研究会参加のため東京へ行ってきました。朝7時の岡山駅でも、東京駅でも結構人が多くてどうしてかと思ったら、3連中の初日だったのですね。私は日帰りでしたが、東京は日曜も月曜も台風で大変だったようです。この会への参加は2回目ですが、結構中身が濃くてよかったです。
四国がんの大橋先生がNRASやBRAF(V600E)の話をしてくれました。My Cancer Genome: Genetically Informed Cancer MedicineをみるとNRASでは彼の論文(Clin Cancer Res 19, 2584-91:2013)が引かれていました。日本医大の宮永先生は、miR134のtargetであるMAGI2->PTEN経路がEMTを抑制する話をしてくれましたが、その中でリン酸化PTENを測定しました。リン酸化PTENと今まで私たちが測定していたPTENとは、当たり前の話ですが発現パターンが異なるようです(http://www.cstj.co.jp/products/9551.html)。徳島大学の後藤先生は、中皮腫マウスできれいにCXCR4の染色をしていました。我々も染色しようと思っていたので参考になりました。マウスの間質fibrocyteからFGF-2が出てbevacizumab耐性となるようです。宮城がんの綿貫先生は、K562(CML細胞)にいろんなEGFRを導入して、addictionのある細胞株を作って実験していました。EGFR deletionではcetuximabでBIMが上昇しているようです。L858R/T790Mでは細胞膜のEGFRが増加していました。これまで我々もHEK293TにいろんなEGFRを入れてきましたが、addictionのある細胞ができたのは稀でした。彼らのようにK562に導入してimatinibでBCR-ABLのシグナルを止めるという方ができやすいのでしょうか。
最後に金沢大学の平尾先生が、mTORとがん幹細胞の特別講演をしてくれました。mTORは八杉先生が実験をしていましたし(もうすぐsubmit)、幹細胞は現、神戸日赤の藤井先生が彼らの論文(Nature 2010;463:676-80)を読んでEGFR遺伝子改変マウスでも同じstoryではないかとやっていましたし、なじみのあるお話でした。ネズミでBCR-ABL陽性の幹細胞膜にはCD27があり、そのリガンドであるCD70がくっつくことでWntシグナルを活性化させ白血病幹細胞の生存、増殖に寄与しているようで(J Clin Invest. 2012;122:624-38)、私たちの実験に役立つ情報でした。ただmTORもがん幹細胞も、がん腫によってまったく動きがちがうようですので、単純な横流しで結果がでるとは思っていません。

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