転移性脳腫瘍

Chugai Lung Cancer Expert meetingで、「転移性脳腫瘍を考える」ということで土曜に東京へ日帰りしました。3時間弱の会ですが、講師の1人が同級生(井内俊彦先生)なので聴講してきました。卒業後2年間は岡山にいたのですが、故郷に帰って今は千葉県がんセンターの脳外科部長をしています。MRI画像から白質などの神経線維束の走行様式を推定するtractographyの定位脳照射や、navigation surgeryでの安全な脳外科手術、neurocognitionが全脳照射4ヶ月で低下することも話してくれました。RTOG0933の論文(J Clin Oncol. 2014;32:3810-6)は私も読んでいましたが、講演で聴いたのは初めてです。これはIMRTを回転させて脳全体には柔らかく照射し、認知機能をつかさどる海馬を避けて腫瘍に高線量を照射する方法です。他に私が興味を覚えたのは、EGFR変異肺癌の脳転移でEGFR-TKI未治療の方が既治療例よりRTが効果がありそうと言う話です。もともとRTとEGFR-TKIはvitroではnon-cross resistantであり、脳転移があっても症状がなければTKIで開始していました。ただ、他がcontrolされていてもはじめあった脳転移増悪がみられる症例を経験することにより、最近は定位脳照射から入ってEGFR-TKIをした方が良い気がしていました。彼に尋ねてみても臨床でこのことを評価した論文はないとのことでした。その他にも、内科医が知っておくべき脳転移によるてんかんの発症予防の薬剤についても話してくれました。テグレトール、アレビアチン、フェノバールは酵素誘導型(CYP3A4の上昇によりゲフィチニブの濃度が低下)であり、イーケプラやガバペンには相互作用はないが高価なこと、デパケンは副作用が少なく使用しやすいが酵素拮抗型(CYP2C19を低下させグルクロン酸抱合を低下)であることに注意しましょうと、ただ者ではない脳外科医でした。また、岡山にも来て下さい。

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