今日、川崎医学講演会が附属病院とネットワーク中継されました。当院でその委員をしている関係上、また聴衆が当院で1名のみとのことで、途中からですが参加しました。山梨大学の病理学の教授、加藤良平先生の「甲状腺がんのミステリー」というお話でした。聞いてびっくり、RET融合遺伝子やTTF-1の遺伝子解析をされていました。そのふたつの遺伝子はそもそも肺がんよりも甲状腺がんのほうが歴史も古く研究実績があるわけです。髄様がんではRET mutaion、乳頭がんではRET fusionですが、後者ではfusion geneの発現細胞とない細胞があるということ、RET/PTC1とRET/PTC3の両方のfusionを持っている症例があるということから、RET fusionはoncogene driverだけではなく、passenger driverとしての腫瘍もあるのではないかと強調されていました。TTF-1は乳頭がんや濾胞がんでは正常細胞と同じくらい発現しているが、未分化がんでは消失しており、未分化がんでは染色体レベルでかなりの異常が認められたそうです。TTF-1のpromoterにはCpG islandがたくさんありメチル化されてその発現が消失しており、脱メチル化剤でTTF-1が出現したということです。とても興味深いお話でした。
RETとTTF-1
2014年1月9日

コメント