昨日の続きです。面白かった話をいくつか述べます。
①ヒストンメチルトランスフェラーゼEZ2阻害薬とHDAC阻害剤(SAHA)併用療法の話。oncogeneと考えられるEZ2はHDACもactiveにしSAHAとの併用でEGFR-TKI耐性であるH1975にもよく効くそうです。SAHA単剤でもPRC1を抑制しますが、併用療法でβーカテニンを落としてEGFRとcycin D1を抑制、NKD-1を増加させるようです。6年ほど前に、今鳥取にいる武田先生にSAHAの実験をしてもらっていましたが、また復活できるかもしれません。
②中皮腫の細胞株をマウスに移植させ、ベバシズマブの耐性モデルを作製していました。ホストのfibrocytesより放出されるCXCR4やcollagen type4が耐性機序のようで、これらを術前にベバシズマブを使用した症例の組織を使って実際に証明していました。
③中皮腫の細胞株6つからペメトレキセドの耐性に関与する遺伝子をgene-chip analysisで引っぱってきていました。SPP1/OPN(オステオポンチン)のknock-inやknock-outでinvasion assayやペメトレキセドの感受性をそれぞれ低下、増強させていました。興味深かったのが培養液中の葉酸を抜くと増殖自体が抑えられるとのことで、私たちが実験していたときはそのようなことは全く無視していました。
④Actinin-4のcloningをした先生の発表でした。si-Actinin 4をゼノグラフトマウスにいれると肺転移が減るそうです。Actinin-4をFISHで術後検体を用いて調べたら、High-Actinin 4のstage IのNSCLCでは、術後化学療法が有効でなんとHR 6.78だそうです。この蛋白検出キットが診断薬として作られたとのことです。
⑤グルタミン酸代謝酵素GLS1の阻害剤BPTESが扁平上皮癌に効果があるようです。mTORC1 activationとしてpS6を測定すれば良いことを知りました。
肺癌分子病態研究会報告1
2014年9月17日

コメント