Your Medical Mind, how to
decide what is right for you.(決められない患者たち)の邦訳を読みました。序章のWe are drowning in information, while starving for wisdom.から始まって、著者らが診療した患者さんとその家族が、あふれる情報を様々な形で受け止めて、それぞれの人生観に基づき治療を選択していく過程が見事に描かれていました。最新の医学内容にも触れていたのでそれも勉強になりました。流行りの医療費とQOLの関係の指標のひとつであるquality adjusted life year(QALY)のこともわかりやすく書いていました。N Engl J Med 2010;363:733-42のEarly palliative care for patients with metastatic non-small-cell
lung cancer.も引用していました。また、心肺蘇生などを含む事前意思表明書(living will)は米国では当然のように思っていましたが、「最初のステップであって決して最終的な結論でない」、治療決定には「患者、家族、医師の間で交わされる真剣で、時間のかかる、感情のこもった会話に変わる近道はない」とありました。救急医療の場合にも多くの同意書が必要ですが、米国でもよくわからないまま同意せざるを得ない難しい状況も多々あるようです。訳者の堀内志奈先生は消化器内科医ですが、医師ならではの翻訳で医療を受ける人たちの臨場感であふれており、皆さんに紹介したい本です。

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