新規ALK-TKI

今週は私が「Iruplinalkib (WX-0593) versus crizotinib in ALK TKI-naïve locally advanced or metastatic ALK-positive non-small cell lung cancer: interim analysis of a randomized, open-label, phase III study (INSPIRE). J Thorac Oncol. 2024 Jan 25:S1556-0864(24)00033-9」を抄読しました。ALK陽性肺がんは初回治療では、ほとんどアレクチニブで治療していますが、最近はブリグチニブやロルラチニブが攻勢をかけています。今回の第3相試験で、新しいALK-TKIのIruplinalkib (n=143)が、コントロールのクリゾチニブ (n=149)よりPFSで優位性を示しました。PFS 27.7 vs 14.6 ヵ月(HR 0.34)、頭蓋内病変の奏効率 90.9 vs 60.0%、頭蓋内病変の奏効期間 20.1 vs 9.3ヵ月、と良好でした。アレクチニブのPFS中央値はALEX試験での34.8ヵ月、J-ALEX試験での34.1ヵ月よりは少し短いですが、頭蓋内病変の奏効率はこれまでのALK-TKIの比較試験の中では良く、頭蓋内病変の奏効期間はALTA試験でのブリグチニブの27.9ヵ月に次ぐものでした。EnvonalkibやZotizalkibなどまだまだ多くのALK-TKIが臨床試験中であり、EGFR-TKIより競争が激しくなっています。驚いたのはこの研究期間が2019年9月から2020年12月までであり、コロナ禍にあってもさすが中国で、この第3相試験を完遂したことでした。

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