ルスフェルチド

今週の抄読会は中西先生が「Rusfertide, a Hepcidin Mimetic, for Control of Erythrocytosis in Polycythemia Vera. N Engl J Med. 2024;390(8):723-735」を抄読しました。ルスフェルチドは赤血球生成における鉄利用を抑制するヘプシジン類似の注射薬です。今回の研究は、瀉血が必要な真性多血症患者におけるルスフェルチドの安全性と有効性を評価する第2相試験でした。70人の患者さんに28週間薬剤投与し(part 1)、そのうち59人がその後無作為化割付され、ルスフェルチド投与群(n=26)と偽薬群(n=27)が最終解析されました(part 2)。主要評価項目は奏効率(Ht値、瀉血なし、part 2の完遂)でした。part 1の瀉血の推定年間平均(±SD)数は、ルスフェルチド初回投与前の 28 週間では8.7±2.9 回でしたが、part 1 では 0.6±1.0 回と低下し、最大Ht値はルスフェルチドの初回投与前28週間では 50.0±5.8%が44.5±2.2%となりました。part 2 では,奏効はルスフェルチド群 60%、偽薬群17%でした(P=0.002)。有害事象もgrade 3以下が13%、grade 4/5は0でした。面白い薬がでてきました。

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