今週は越智先生が「Short-term EGFR blockade enhances immune-mediated cytotoxicity of EGFR mutant lung cancer cells: rationale for combination therapies. Cell Death Dis. 2016 Sep 29;7(9):e2380.」を抄読しました。もともと間葉系より上皮系のprofileを持っているEGFR変異肺がん細胞株にエルロチニブ100nMを16時間接触と72時間接触で比較した時、72時間では間葉系転換が認められていました。マウスにこれらの細胞株を移植してエルロチニブ投与1-4日後の組織変化でも、腫瘍縮小とともに上皮系マーカー(E-cadherin)が減り間葉系マーカー(fibronectin)が増えていました。また、in vitroでエルロチニブの細胞株への接触後にNK細胞、T細胞あるいはTRAILによる細胞融解効果を検討したところ、16時間では増強していましたが72時間では低下していました。この効果はカスパーゼの阻害ではcancelされましたが、granzyme/perforinを阻害するconcanamycin Aでは変化が認められず、がん細胞のカスパーゼを介した融解が重要ということでした。エルロチニブをあまり長期に引っ張らない方が、後のNKやCTLによる免疫療法が効きやすいのではないかという基礎実験でした。EGFR-TKIと免疫療法の併用を模索する中で示唆に富む内容でした。
EGFR阻害と免疫療法
2016年10月9日

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