ARID1A欠損腫瘍

今日は、私が「Targeting the Vulnerability of Glutathione Metabolism in ARID1A-Deficient Cancers. Cancer Cell. 2019;35(2):177-190」を抄読しました。ARID1A遺伝子はBAF250a蛋白をコードしており、SWI/SNFクロマチンリモデリング複合体を構成しています。ARID1A欠損は不活性化変異で、卵巣明細胞がんで約50%、子宮内膜がん、胃がん、膀胱がん、胆道がんで30%前後で多く、肺腺がんも12%と報告されています。これを合成致死の理論でグルタチオン、グルタミン・システインリガーゼ合成サブユニットなどの抑制でROSを増強し、ARID1A欠損がん細胞をアポトーシスに導くという内容です。ARID1A欠損がんは、SLC7A11の発現低下によりシステインが減るためグルタチオンの量が低くなり、さらにAPR-246の効果でグルタチオンが減り、相対的にROSが増えていることを非常に理路整然に、これでもかというように裏実験も行っていました。臨床検体やマウスも使用して膨大な実験量の論文でした。さすがCancer Cellです。AP-246は臨床試験も行われている薬剤であり、楽しみな薬です。

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