長﨑先生が「Time Lapse Analysis of Tumor Response in Patients With Soft Tissue Sarcoma Treated With Trabectedin: A Pooled Analysis of Two Phase II Clinical Trials. Cancer Med. 2020 Mar 27」を抄読しました。最近使うことが多いトラベクテジンの論文です。軟部肉腫に対するふたつのphase 2試験の統合解析で、66人中9人(13.6%)が奏効し、そのうち6人が粘液性脂肪肉腫、2人が滑膜肉腫、1人が間葉性軟骨肉腫でした。PRにはいるまでの期間が123日 (範囲34~328日)と長く、最初は少し大きくなってそこから縮小していくというパターンが多いようです。ICIのpseudoprogressionとまではいかないですが、SD範囲の増悪なら続けても良いと思います。トラベクテジンの作用機序はアルキル化薬と似たものと思ってましたが、例えば粘液型脂肪肉腫由来FUS-CHOPタンパク質及びEwing肉腫由来EWS-FLI1タンパク質の転写因子としての機能を阻止してこれらの癌遺伝子の発現を抑制する働きもあるそうです。ただのアルキル化薬だけならシャープに効くはずですが、転写因子ブロックだからゆっくり効いてくるのでしょうか。面白い薬です。
トラベクテジン
2020年5月2日

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