SCLCにおけるICIと抗菌薬

先週は切士先生が「Association of antibiotic exposure with survival in patients with extensive-stage small cell lung cancer receiving immune checkpoint inhibitor therapy. Thorac Cancer. 2024;15:152-162」を抄読しました。進展型小細胞肺がんに免疫チェックポイント阻害薬を投与する前後(±60日)で抗菌薬を使用した群(ATB: n=41)と使用しなかった群(non-ATB: n=173)を、後方視的に生存期間を比較していました。PFS (4.3 vs. 6.3 months; HR = 1.43, 95% CI: 0.97–2.11; p = 0.043)とOS (6.9 vs. 13 months; HR = 1.47, 95% CI: 0.98–2.20; p = 0.033)は、いずれもATB群がnon-ATB群より不良でした。ICI + chemo (n=166)、ICI monotherapy (n=17)、ICI + angiogenesis inhibitor (n=22)、ICI +chemo + angiogenesis inhibitor (n=9)と1st lineから幅広くICIを使用していました。越智先生はICI単剤治療のNSCLCで抗菌薬使用がPD-L1の高発現群で予後不良を報告していますが(Eur J Cancer. 2021;149:73-81)、今回はPD-L1発現は検討されていませんでした。いずれにしろ、抗菌薬の投与は適応をよく考えるべきと思います。

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