ROR1小分子化合物

今日は私が「A Small Molecule Targeting the Intracellular Tyrosine Kinase Domain of ROR1 (KAN0441571C) Induced Significant Apoptosis of Non-Small Cell Lung Cancer (NSCLC) Cells. Pharmaceutics. 2023;15(4):1148」を抄読しました。ROR1に関しては私たちもこれまで研究を行っていましたが、ROR1阻害薬の小分子化合物 (KAN0441571C)が肺癌の基礎研究ででてきたのは初めてと思います。ROR1はNSCLCの組織型では非扁平上皮癌が最も発現していること、ROR1陽性のNSCLCは予後が悪いこと、ROR1陽性はp53陰性が多いことを臨床検体を用いて述べていました。用いた5つのNSCLC細胞株ではいずれもフローサイトメトリでROR1陽性、Western blotではpROR1も高発現でした。KAN0441571Cはアポトーシスを誘導し、細胞増殖抑制効果増強とコロニー形成抑制を示し、erlotinibやibrutinibとの相乗・相加効果をもたらしました。これまでのROR1に対する抗体やCAR-T療法と比べて使いやすそうで、はやく臨床治験がはじまらないかと期待しています。

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