バーコード

金曜の抄読会は、磯崎先生の「Tumor cells can follow distinct evolutionary paths to become resistant to epidermal growth factor receptor inhibition. Nat Med. 2016, 22(3):262-9.」でした。EGFR-TKI耐性の原因の約半数を占めるT790M変異は、最初から存在してそれが顕在化してくるselection説(pre-exisiting)と、EGFR-TKIに曝露され出現するde novo(evolution)説がありました。EGFR-TKI使用中の早期にはselectionによるT790Mが、晩期にはde novo T790Mとその他の耐性機序が出ていました。これをClonTracer libraryを使ってモニター用の3個の遺伝子を導入したEGFR-TKI感受性細胞株PC-9を、ゲフィチニブを曝露し続けて耐性にします。T790Mが出現してきた際に、最初に導入した3つの遺伝子をバーコードのようにNGSで読み取って最初からあったクローンなのかそうでないのかを見定めていました。もともとNGSでも0.1%未満の遺伝子異常の検出は難しいのでこのような方法をとったようです。EGFR-TKIだけでなく、他の分子標的薬剤や殺細胞性抗がん剤なども同様な方法で耐性クローンの研究ができそうです。

 

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

目次