先週は小原先生が「Regular, Sustained-Release Morphine for Chronic Breathlessness: A Multicentre, Double-Blind, Randomised, Placebo-Controlled Trial. Thorax 2020;75(1):50-56. 」を抄読しました。徐放性モルヒネが慢性の呼吸困難に効果を有するか否かを比較した無作為化試験でした。 慢性の呼吸困難(modified MRC≧2)患者に対して、徐放性モルヒネ20mg/日+緩下剤(介入群)、あるいはプラセボ+プラセボ緩下剤(対照群)のいずれかを7日間投与しました。両群ともにレスキューとして2.5mgを6回まで速効性オキシコドン(24時間で15mgまで)を投与可能としていました。主要評価項目は呼吸困難の変化(VASを1日2回記録)、副次評価項目は呼吸困難の程度、現呼吸困難による不快感、疲労、QOL、機能、有害事象としていました。モルヒネ群145人、対照群139人であり、うち基礎疾患はそれぞれCOPDが82人(56.6%)と82人 (59.0%)、次は悪性腫瘍で17.9%と15.8%と多かったたです。HOT使用は60.0%と54.0%でした。結局、主要評価項目も副次評価項目も有意差は認められなかったようです。ただ、対照群のほうがレスキューをより多く使用していました(8.7回 vs 5.8回; p=0.001)。モルヒネ群は対照群より便秘、悪心・嘔吐が多かったですが、呼吸抑制や意識障害はいずれの群にも認められませんでした。慢性の呼吸困難には徐放性モルヒネの効果が認められなかったというショッキングな内容でした。
COPDなどの呼吸困難に定期モルヒネは無効
2020年6月16日

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