先週は宇治先生が「Use of Cardioprotective Dexrazoxane Is Associated with Increased Myelotoxicity in Anthracycline-Treated Soft-Tissue Sarcoma Patients. Chemotherapy. 2019;64(2):105-109.」を抄読しました。Dexrazoxane(DEX:商品名サビーン)は本邦ではドキソルビシンなどのアンソラサイクリン系抗癌薬の血管外漏出時に使いますが、もともとはドキソルビシンの心保護作用もあると言われている薬剤です。DEXはドキソルビシンとは異なる部位でのトポイソメラーゼIIの阻害薬ですので骨髄抑制も来し、乳癌では報告されています。今回は軟部肉腫でのドキソルビシンとイホマイド併用療法でDEX併用群(n=46)と非併用群(n=87)で骨髄抑制の比較を後方視的にしました。こんなに血管外漏出があるのかと思ったのですがで心保護作用の効果を狙った併用でした。grade 3/4 の白血球減少 (56.5 vs. 28.7%; p = 0.0014)、好中球減少 (69.6 vs. 24.1%; p = 0.0001)、febrile neutropenia (52.2 vs. 20.7%; p = 0.0004)、貧血 (41.3 vs. 28.7%; p = 0.1758)、血小板減少 (54.3 vs. 32.1%; p = 0.0159)といずれもDEX併用が悪かったです。滅多にないことですが、抗がん薬の漏出時にDEX併用するときは、骨髄抑制に注意しましょう。
サビーンの骨髄毒性
2021年8月4日

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