先週は私が「SLC1A3 promotes gastric cancer progression via the PI3K/AKT signalling pathway. J Cell Mol Med. 2020;24:14392–14404」を抄読しました。昨年、SLC1A3についての論文を読みましたが、それ以降のものを探しました。SLC1A3はアスパラギン酸やグルタミン酸輸送に関わる蛋白で脳組織に多く発現しており、神経に関する報告が多いです。当科では胃がんの化学療法をすることも多いので、それに関するものを選びました。SLC1A3は胃がん組織で高発現しており、予後不良となっていました。SLC1A3発現は糖の細胞内取り込み、乳酸分泌、そして細胞内ATPを増加させ、胃がん細胞を増殖させました。PI3K/AKTの活性化でGLUT1、Hexokinase II、およびLDHAが増加しますが、PI3K/AKT阻害薬(LY294002)により、糖代謝を抑えて細胞増殖を抑制しました。SLC1A3は胃がんの分子標的になるだろうという結論でした。急性リンパ性白血病にはじまり、固形腫瘍にもこのトランスポーターの役割が明らかになりつつあります。
胃がんのSLC1A3
2021年12月9日

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