今日は私が「Association of BMI With Benefit of Metformin Plus Epidermal Growth Factor Receptor-Tyrosine Kinase Inhibitors in Patients With Advanced Lung Adenocarcinoma: A Secondary Analysis of a Phase 2 Randomized Clinical Trial」を抄読しました。基礎研究ではメトホルミンは、①上皮間葉系移行(EMT) やIL-6/STAT3を阻害して、EGFR-TKI耐性を克服する(Clin Cancer Res. 2014 15;20:2714-26)。②AMPK/ERK/NF-kBを阻害して、EGFR-TKI耐性を克服する(Front Oncol. 2020;10:1605)。③解糖系を効率的に促進し、脂肪酸を取り入れていた制御性T細胞の代謝を崩して抑制する(eBioMedicine 2017;25:154)。などが報告されています。糖尿病のない未治療進行EGFR肺癌に対してEGFR-TKI±メトホルミンの比較第2相試験はふたつありますが、結果は相反しています。併用群はEGFR-TKI単独群に比べ、①JAMA Oncol. 2019;5:e192553ではPFSもOSも良く、②Clin Cancer Res. 2019;25:6967-6975ではPFSもOSも差がありませんでした。本論文では①の著者らが二次解析を行い、BMI 24以上ではPFS(HR 0.4)もOS(HR 0.5)もかなりの差があり、①では②よりoverweightの対象が多かったからのではないかと推察していました。①はメキシコ人、②は中国人が多く、2021年の統計によるとそれぞれの国でのoverweight(BMI: 25~30)は64.1%と33.8%でした。②の中国からの2次解析をみたいものです。大きい人はメトホルミンの効果があるかもしれませんが、それはEGFRシグナルに関してなのか、Tregなどの免疫を介してなのかはわかりません。
EGFR-TKI + メトホルミン
2022年1月21日

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