IPFに対するPDE4阻害薬

長﨑先生が「Trial of a Phosphodiesterase 4 Inhibitor for Idiopathic Pulmonary Fibrosis. Reply. N Engl J Med. 2022 Aug 25;387(8):762」を抄読しました。ホスホジエステラーゼ(PDE)はcAMPやcGMPを分解する酵素で11種類あります。カフェインやテオフィリンは非選択的なPDE阻害薬であり、PDE4は免疫細胞や脳に存在しています。尋常性乾癬に対するオテズラは保険適応のあるPDE4阻害薬で細胞内cAMP濃度を上昇させ、TNF-α、IL-17、IL-23の抑制とIL-10の増加で炎症を抑制するらしいです。今回は抗炎症および抗線維化作用を有するPDE4阻害薬のBI 1015550のIPFに対しての2:1の割付で行った比較第二相試験でした。主要評価項目は、12週間後の努力性肺活量(FVC)の変化で、抗線維化薬を使用していない患者(n=47 vs 25)では5.7 ml (95%CI, -39.1 to 50.5)  vs -81.7 ml (95%CI, -133.5 to -44.8) 、抗線維化薬を使用している患者(n=48 vs 25) では 2.7 ml (95%CI, -32.8 to 38.2) vs -59.2 ml (95%CI, -111.8 to -17.9) で有用性が認められました。ただ、BI 1015550群は下痢で13名が中止していました。長期予後はわかりませんが、12週間でも差がつく有望な薬剤であり、第三相試験が行われるようです。PDE4阻害薬の作用は抗炎症なので、IPFの肺癌合併も抑制されたら面白いです。

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