寒冷凝集素症にスチムリマブ

中西先生が「Sutimlimab in Cold Agglutinin Disease. N Engl J Med. 2021;384:1323-1334」を抄読しました。自己疫性溶血性貧血のひとつである寒冷凝集素症(CAD)は、IgM抗体が赤血球膜に結合し補体を活性化して溶血や末梢循環不全を引き起こします。ヒトのIgG4モノクローナル抗体であるスチムリマブは、補体の古典経路のC1sを選択的に抑制する新規薬剤です。第2相試験で24人のCAD患者に投与し、13人(54%)に主要評価項目のHb 12 g/dL以上または2 g/dL以上の上昇を認めましたが、7人で重篤な有害事象(主に感染症)がありました。CADはB cell malignancyと位置付けられているのでリツキシマブの方が使いやすそうです。スチムリマブ(n=22)はプラセボ(n=20)との第3相試験(Blood. 2022 Sep 1;140:980-991)で、Hb値も疲労も有意に改善し、有害事象も同等で有用性が証明されました。商品名エジャイモで6月から日本でも保険適応になっています。古典的補体経路を阻害する抗体のため、莢膜形成細菌感染症(髄膜炎菌など)のリスクが懸念されていますので、注意が必要です。

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