今週は私が「Targeted cancer therapy induces APOBEC fuelling the evolution of drug resistance. bioRxiv preprint (version posted December 18, 2020)」を抄読しました。APOBECはシチジンをウリジンへ変換する酵素です。APOBEC3Bは初期の腫瘍形成には抑制方向、TKI治療後には耐性機構に関与していることを証明した論文です。EGFR遺伝子変異肺がんでもALK融合遺伝子肺がんでもTKIを使用後late eventとして転写因子(NF-kB)亢進によりAPOBEC3Bが誘導され、APOBEC関連の遺伝子変異がおこりやすいということを細胞株、動物モデル、ヒト検体を用いて研究をしていました。私たちも2014年にはAPOBEC3BがEGFR T790M変異を誘導するのではという仮説を立てて実験していましたが、結論には至りませんでした。この論文はまだpublishされていないようなので、どこかと戦っているのでしょう。初めてpreprintの論文をみましたが、preprintをだしたのが一昨年の12月、AACRで学会発表したのが今年の春で、優れた研究というのはpriorityの問題でこのような形になるのでしょうね。
TKI耐性とAPOBEC3B
2022年10月29日

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