HER2とタンキラーゼ

今週は私が「3D layered co-culture model enhances Trastuzumab Deruxtecan sensitivity and reveals the combined effect with G007-LK in HER2-positive non-small cell lung cancer. Biochem Biophys Res Commun 2024:725:150255」を抄読しました。癌研の片山量平先生らの報告です。NSCLC患者の胸水から樹立されたHER2変異を有するJFCR-007という細胞株は、通常の培養ではHER2小分子化合物には感受性があるのですが、Trastuzumab deruxtecan (T-DXd)には抵抗性があることを発見したのがきっかけでした。正常ヒト皮膚線維芽細胞とmixさせた培地ではT-Dxdに感受性があり、この培地上では細胞は腺管構造を形成していました。T-DXdはPARP阻害薬のオラパリブやG007-LKとの併用効果が優れていました。PARP familyのPARP-5a/bであるタンキラーゼというのはテロメア伸長を促進するものですが、G007-LKは彼らが発見したタンキラーゼ阻害薬です。どこかで聞いたことがあったと思ったのは、私たちがEGFRのdeletionとL858Rを比較した時にdeletionに多く発現していたのがそれをcodeする遺伝子でした(Experimental Cell Res 424, 2023)。さらに、TrastuzumabがないDXdだけやSN-38とも、G0007-LKはHER2変異細胞株に相乗効果を有していました。3D培養が良かった理由、タンキラーゼ阻害薬追加の意義は不明ですが、現象論として面白い内容でした。

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