HGSOCにおけるROR1–PI3K/AKTシグナル

今日は私が「ROR1-PI3K/AKT signaling drives adaptive resistance to cell cycle blockade in TP53 mutated ovarian cancer. Cell Death Dis. 2026;17(1):276」を抄読しました。high-grade serous ovarian carcinoma (HGSOC)の5つの細胞株に対してWEE1阻害によりG2 DNA損傷チェックポイントを阻害するadavosertib(ADA)と微小管重合を促進するpacritaxel(PTX)の耐性株を作製し、その違いを明らかにするとともに耐性株に有効な薬剤を探索しました。核、核小体、細胞質RNA、小胞体、アクチンを染色してUMAPで視覚化して親株との違いを鮮明にしていました。sc-RNA解析では、1株を除いて転写パターンは異なっており、PROGENy heatmapによれば多くはPI3K/AKT↑、MAPK↑、NF-κB↑でした。module解析とGene set enrichment analysis (GSEA)でRNA変化パターンの分類を行った後、Western blotで蛋白発現を解析し、5つの耐性株を① Fast-bypass型:pAKT↑FOXO3↑と、② Slow-repair型:FOXO3→、DNA damage response、ABCB1↑に分け、PI3K/AKT–FOXO3が分岐スイッチとなると推察していました。次に3つのパターン(3日間持続接触のみ、suboptimalなdoseとmax doseでの4か月持続接触)で作製した耐性株をRNA-seq解析し、短期曝露ではPI3K/AKT急性活性化、MYC/E2F↑であったが、長期曝露ではそれらは部分的に安定し、“Shock response”→ “Adaptive remodeling”と呼んでいました。その後、526薬剤のscreeningを行い、耐性株で感受性が逆によくなっていたのはSMAC mimetic、Bcl-XL inhibitor、Topoisomerase I inhibitor、Proteasome inhibitorでした。他にも臨床検体やオルガノイドを使用した研究、耐性株に抗ROR1抗体薬物複合体であるZilovertamab-vedotinが有効であることも示した大論文でした。

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