タグリッソ耐性

今週は私が「Investigating Novel Resistance Mechanisms to Third-Generation EGFR Tyrosine Kinase Inhibitor Osimertinib in Non-Small Cell Lung Cancer Patients. Clin Cancer Res. 2018 Mar 5.」を抄読しました。93人の肺癌にタグリッソを使用したところ他の耐性遺伝子が検出された31人ではC797SとL792変異が多く、G796変異は2人でした。L792変異の11人中10人はT790M以外の別の変異と共存しており、T790Mとcisの位置に入っていました。G796/C797がT790Mのtransの位置に入るときはタグリッソ耐性にならないようです。バイパスシグナルのひとつのMET変異(P97Q、I865F)は2人で、MET増幅は5人でした。L718やL792HもATP binding pocketにあり、これらのアミノ酸は物理的に高い壁を作り、疎水性を減らしてタグリッソが結合しにくくなっていました。タグリッソ投与前後の遺伝子変化が確認できた12人中P53変異が5人、MET変異が2人でした。IL3依存性のBa/F3細胞株の遺伝子導入株Ex19欠失+L718Q or L792H、Ex19欠失(or L858R)+cis L792HはIL3なしに増殖せず、L858R+L792YもIL3なしに増殖せず、他のEGFR遺伝子導入株のIL3なしでの自己増殖性とは異なっていました。これらの遺伝子変異はdriverではないことがin vitroで証明されていました。cell free DNAでのNGSといろんな遺伝子導入の技術導入で多くのことがわかってきました。

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コメント

コメント一覧 (3件)

  • 昨日は大阪で、京大呼吸器のクローズの会で、岡大の堀田先生の講演を聞きました。ICIに関する事が中心でしたが、耐性や遺伝子変異のことで、日本で未発売の薬剤についても話題にしておられ、肺がん治療は益々複雑化するな、と思いました。

  • Tajima先生 ありがとう。堀田先生は臨床疑問に答えられるような試験をデザインして、それを解決しています。乳がんよりも肺がんのほうが治療が複雑になるかもしれませんね。

  • 本当に治療が複雑になりそうです。治療アルゴリズムについていくのが本当に大変です。
    現在はTKIはタグリッソまでしか発売されていませんが、研究ではタグリッソ耐性の遺伝子解析まで行われており、C797S変異にはALK-TKIが効果があるかもしれないなどと発表されているようですが、(どんな疾患でも)研究の最先端がどこまで行っているのかを知った上で、その何歩か後ろの臨床を俯瞰できれば、何と良いことだろうか・・・と思いますが、そう簡単には実現できません。

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