ピロリ菌とがん家族歴

J1の河田先生が「Family History of Gastric Cancer and Helicobacter pylori Treatment. N Engl J Med. 2020;382(5):427-436」を抄読しました。第一度近親者に胃癌家族歴を有する人は通常の2~3倍の高頻度で胃癌が発症し、原因は環境要因とかピロリ菌に対する免疫反応のためと考えられています。胃癌リスクを、3剤(ランソプラゾール + AMPC + CAM)によるピロリの除菌によって下げられるかどうかを検証した韓国での第3相試験でした。除菌群 832 例とプラセボ群 844 例でfollow-up 中央値9.2年間に、胃癌は除菌群の10人(1.2%)とプラセボ群の23人(2.7%)に認められました(HR 0.45、95%CI: 0.21~0.94、P=0.03)。胃癌が発生した除菌群の10人中5人(50.0%)に ピロリ菌が持続感染していました。胃癌は除菌群の0.8%(5/608)と持続感染の 2.9%(28/979)に発生しています(HR 0.27、95%CI 0.10~0.70)。有害事象は除菌群に多かったですが(53.0% vs 19.1%、P<0.001)、いずれもmildでした。ピロリ除菌は第一度近親者に胃癌を有する人の胃癌発生抑制に有効でした。今では、除菌が当然のようになってしまってますが、今回の試験でも再認識されました。

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