long covidにオキサロ酢酸

J1の佐々木先生が「Oxaloacetate Treatment For Mental And Physical Fatigue In Myalgic Encephalomyelitis/Chronic Fatigue Syndrome (ME/CFS) and Long-COVID fatigue patients: a non-randomized controlled clinical trial. J Transl Med. 2022;20(1):295」を抄読しました。オキサロ酢酸はクエン酸回路を構成し、オキサロ酢酸+NADH＋H+ → L-リンゴ酸＋NADのごとく反応します。今回は、筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群（ME/CFS）と6ヵ月以上症状が続くlong-covidの患者さんに栄養補助食品であるAnhydrous Enol-Oxaloacetate（AEO）を投与した試験です。比較試験ではないですが、AEO 500mgは偽薬と比較してChalder Scaleで5.9%の改善が認められていたため、この値との比較をしていました。ME/CFSの患者76人に500 mg BID (N = 23)、1,000 mg BID (N = 29)、1000 mg TID (N = 24)を6週間投与し、dose dependに22.5～27.9%の改善を認めていました。long covidの43人も46.8%の改善効果がありました。無作為化比較試験をしてもらいたいものです。オキサロ酢酸はNAD を産生によりがん細胞の増殖を抑えるとも言われています。メタボロームは複雑ですが興味があります。