Drug tolerant

今日は私が「Early Steps of Resistance to Targeted Therapies in Non-Small-Cell Lung Cancer. Cancers 2022, 14, 2613」を抄読しました。drug-tolerant persister cellのレビューです。2年前のレビューですが、盛りだくさんの内容でした。私たちが30年以上前から殺細胞性抗癌薬や分子標的薬で作製してきた、いわゆる薬剤耐性細胞(Drug resistant cell)と、一時的な薬剤耐性細胞(Drug tolerant cell)の違いは難しいですが、薬剤曝露をやめると耐性が解除されるというのがひとつの境だと思います。Reversible Pseudo-Dormant Phenotypeは細胞周期がほぼG1で止まっているもの、Senescent-Like PhenotypeはβGAL活性の増加やメチル化、Phenotypic Plasticityは小細胞癌化やEMTについての内容でした。耐性機構としては、Chromatin Remodelling and Epigenetic ModificationはDNAメチル化に差があり、メチル化されたヒストンH3のリジン4(H3K4)の脱メチル化に働く酵素のKDM5Aの上昇、Escape from ApoptosisではBIM低発現やYAP1の活性化、Cell Signalling ReprogrammingではWNT/βカテニン活性化、Metabolic Reprogramingでは解糖系からミトコンドリアのoxidative respirationへの変化やoxidative phosphorylation(OxPhos)への依存、活性酸素の産生や脂肪酸の酸化、lipid-peroxidase GPX4の増加、グルタチオンの増加、MicroenvironmentとしてCancer-associated fibroblastsやTumor-associated macrophage等々、多数のことを触れていました。薬剤耐性の研究者にとって面白いレビューと思います。

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