J1の細部先生が、麻酔科で経験した術中覚醒について発表し、その関連論文を読みました。私も定義を知らなかったのですが、全身麻酔中に予期せず意識回復し、その間に顕在記憶、すなわち記述できるような具体的な内容の記憶が形成されて、術後に想起される状態のことで、単に術中に一過性に意識が戻っただけでなく、術後具体的に覚えていることが問題となるようです。術中覚醒の頻度は概ね0.1%~0.2%であり、筋弛緩薬使用中に多く、筋弛緩薬により身動きが取れない状況で術者が気付きにくいためとされています。「Anesthesia Awareness and the Bispectral Index. N Engl J Med, 358 (11), 1097-108 2008」では、2000人の全身麻酔をする患者を2群に分け、BISガイド麻酔(BIS範囲:40~60)とETAGガイド麻酔(ETAG範囲:0.7~1.3MAC)に割り付け(ただし、どちらもBISとETAGを測定し、どちらか一方を隠して麻酔)術後3回(抜管後0~24hr、24~72h、および30日)に回診を行い術中覚醒の有無を評価しました。BIS60以上になったのは3人だったのもかかわらず6人も明確な術中覚醒が起こった。ETAG0.7MAC以下になったのは7人もあったにもかかわらず3人しか明確な術中覚醒が起こっていない。BIS60以上になったのは1人だったのもかかわらず2人も完全術中覚醒が起こった。ETAG0.7MAC以下になったのは4人もあったにもかかわらず2人しか完全術中覚醒が起こっていない。というわけで、BISだけに頼ってもよくないとのことでした。自分の経験から論文を検索して、うまくfeedbackできてました。
術中覚醒
2020年2月6日

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