J2の立川先生が「Outcomes After Angiography With Sodium Bicarbonate and Acetylcysteine. N Engl J Med. 2018, 15;378(7):603-614」を抄読しました。私は知らなかったのですが、炭酸水素ナトリウムの静注と経口アセチルシステインが、血管造影後急性腎障害の予防目的で日本でもルーチンに使用されているところがあるようです。ただし、明らかなエビデンスはなかったので試験が組まれていました。eGFRが15~44.9か、糖尿病で45~59.9で血管造影が予定されている5,177人を、1Lの1.26%炭酸水素ナトリウムを点滴する群と1Lの0.9%塩化ナトリウムを点滴する群に無作為に割り付け、それぞれの群に5 日間アセチルシステインを経口投与する群とプラセボを経口投与する群に無作為に割り付けた2 by 2試験です。中間解析で、90 日後の死亡、透析の必要性、血清クレアチニン値の主要評価項目は、 炭酸水素ナトリウム群4.4%と塩化ナトリウム群4.7%に差は無く(オッズ比 0.93、95%CI 0.72~1.22、P=0.62)、アセチルシステイン群4.6%とプラセボ群4.5%でした(オッズ比 1.02、95% CI 0.78~1.33、P=0.88)。いずれもnegativeとなり、試験は中止されました。ただ、これより前の試験ではpositive dataとなっているものもあり、日本のガイドラインでは炭酸水素ナトリウムの静脈内投与も可能とのことでした。当然と思っていることも、やってみなければわからないという面白い試験でした。

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